フランス版BWA賞、2023年のファイナリストは?

Society & Business 2023.04.17

革新的でクリエイティビティに満ちた女性起業家・経営者を支援するマダム・フィガロ主催のフランス版Business with Attitude(BWA)賞のファイナリストが発表された。有識者からなる審査員団の選考を通過した女性起業家たちは、現在、サポートプログラムに参加中だ。その後は? 4月20日にパリで行われる最終選考会で全員が演壇に上り、スピーチを行う。同日には一般投票による「パブリック賞」も発表される。選ばれたファイナリストの横顔を紹介しよう。

>>日本でも開催中! フィガロジャポンBusiness with Attitudeとは?

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フランス版BWA賞の5人のファイナリストたち。上段左から、サロメ・ジェロー、シャルロット・ドゥ・ファイエ。下段左から、フロリアンヌ・アダド、オード・ギュオ、マリー・ブレーズ。photography: Madame Figaro

120人以上の応募者の中から第一次選考を通過したのは10人。それからさらに審査員会による選考を経て、マダム・フィガロ Business with Attitude 賞(1)最終選考に残ったのは次に紹介する5人の起業家たちだ。100年の歴史を持つ高級ニットブランド「Molli」を引き継ぎ、再生させたシャルロット・ドゥ・ファイエ。過剰消費と浪費の抑制に役立つデジタルツールを開発する「MyTroc」創業者のフロリアンヌ・アダド。家畜やペットの餌や肥料となるアブの養殖を行う「Innovafeed」のオード・ギュオ。転職希望者を対象とする職業訓練学校「Gustave」の校長を務めるマリー・ブレーズ。ごみゼロを身近なものにすることを目指す「Drive tout nu」のサロメ・ジェロー。

いかにフランスの女性起業家たちが社会貢献への意欲に溢れているか。雇用を創造し守る力や、世界や社会を動かすために技術開発や研究を推進する才能を持っているか。彼女たちのプロフィールはそのことを雄弁に物語っている。彼女たちは、創造し、説得し、別のやり方でものを作る能力を備えた女性たちだ。

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オーダーメイドのアクセラレーションプログラム

ファイナリストに選ばれた5人の起業家たちは現在、オーダーメイドの支援プログラムに取り組んでいる。スタートアップキャンパス「ステーションF」で実施される、グーグル・フォー・スタートアップス協賛のアクセラレーションプログラム、コンサルティング会社 Utopies 創業者でB Corp獲得のエリザベス・ラヴィルによるポジティブインパクト戦略研修、資金調達のためのスピーチ訓練、弁論術のコーチング……。

4月20日にパリで開催される授賞式で発表されるグランプリの受賞者は、「マダム・フィガロ」、「フィガロ・エコノミー」、「フィガロ・アントルプルヌール」誌に、1年間、その活動を紹介される機会を得る。授賞式ではBusiness with Attitude賞のほかに、一般読者が選ぶ「パブリック賞」(4月4日からネットユーザーによるオンライン投票を受け付け開始)と、話題になりにくいプロジェクトを支援する目的で設立された「ポテンシャル賞」(非営利団体 Diversidays との共催)の受賞者も発表される。

フランスのBWA賞(1)自体もスタートアップ・プロジェクトであり、才能豊かな女性たちのおかげで、そしてなによりも、そうした女性たちのために成長しつづけるエコシステムにほかならない。それでは素敵な発見がありますように。

(1)本賞は以下の企業の協賛によって運営されている。フランス郵便局 La Poste、EY、ネスプレッソ、グーグル、BNPパリバ、エンジー、レディ・バンク・バイ・オッド BHF、Bpifrance、フランス2030、メシカ。


2023年 フランスBusiness with Attitude:5人のファイナリストの顔ぶれは……

02-France-Business-with-Attitude-230412.jpg100年の歴史を持つブランド Molli を生き返らせ、事業の拡張を進めるシャルロット・ドゥ・ファイエは「クリエーション部門」から選出された。レスポンシブルな素材を用いたヨーロッパ製の高級ニットブランドは、豊富なアイテムとシックなデザインで順調に成長を続けている。photography: Molli/Photo presse

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マリー・ブレーズは自ら設立した学校 Ecole Gustave を経営する。Gustave は雇用者数の多い建設業への転職を目指す人たちを対象とする職業訓練学校だ。ときに敬遠されることもあるが実入りのいい建設業界の職業に活力を再注入し、訓練生の再就職を支援することを目指す。マリー・ブレーズは「文化と知識部門」から選出された。photography: Ecole Gustave/Photo presse

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フロリアンヌ・アダドフロリアンヌ・アダドは一般利用者向けの無料の物々交換プラットフォーム MyTorc と、死蔵設備の共有をサポートする企業向けプラットフォーム MyTroc Pro の創始者だ。狙いは?浪費と過剰消費による環境への負荷を低減する最適なテジタルツールを開発すること。フロリアン・アダドは「新しい連帯部門」から選出された。photography: MyTroc/Photo presse

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サロメ・ジェローは地元産の有機食品を扱うゼロ・ウェイスト小売店ネットワーク Drove tout nu の共同創業者だ。彼女のモットーは?レスポンシブルな消費をより手軽に、フランスに住むすべての人にとってアクセス可能なものにすること。「サービス部門」から選出された。photography: Le Drive tout nu/Photo presse

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エンジニアのオード・ギュオはフランス北部にある工場でアメリカミズアブの養殖事業を営む企業 Innovafeed の共同創業者だ。養殖されたアブは家畜の飼料やペットの餌として、また耕作地の土壌肥料として使用される。3箇所目となる養殖場が近々アメリカで操業を開始する。「ネクスト・テック部門」から選出された。photography: Innovafeed/Photo presse

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text: Viviane Chocas, Morgane Miel and Sofiane Zaizoune (madame.lefigaro.fr)

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