プロデューサー・秋田周平が語る、相葉雅紀の魅力とは?

Culture 2022.09.29

想像していたよりも、作品にすごい熱量を注ぐ人

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パブリックイメージとして、「相葉さん=優しい」という印象があると思います。本作の主人公、淳一は、根が優しいばかりに自分から身を引いてしまう人物。一見頼りなさそうな父親ですが、「本当の優しさ」とともに成長していく姿を描いています。相葉さんなら、「優しさ」の二面性を見事に演じていただけるのではと思って出演依頼をしました。脚本で書かれている淳一というキャラクターを深く読み込んで、ホラージャンルであっても人間ドラマを軸に据えている、中田監督の意図を丁寧に理解してくれました。撮影の序盤、各シーンの段取り前に、相葉さんが監督にセリフやまわりや淳一の成長のプロセスを確認している姿がとても印象に残っています。

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エンタメ映画として、小日向文世さんや眞島秀和さんなど、華やかな俳優の方々にもご出演いただく一方、地方の農業感を出すために宇野祥平さんや松浦祐也さんなど、リアルな田舎感(宇野さん、松浦さん、すみません!)を醸し出せる俳優陣のキャスティングを意識しました。ホラージャンルで定番の「恐怖」描写の演出では、中田監督は「ここの怖さは8で!」と、強度を数字で伝えるのですが、徐々に慣れていく相葉さんたちキャストの方々の姿が印象的。たまに小数点になったりするのですが、そこも「わかりました」とスマートに対応されていたので、さすがだな、と(笑)。「本当に良い人」という噂だった相葉さんですが、仕事してみて、実際に裏表なく誰にも優しいと思いました。ギャップがあるとすれば、想像していたよりも、作品に熱量を持ってくださったところ。作品に向き合って良い作品にしたいという相葉さんの熱意から、いつも以上に良い現場、良い作品になったと思います。ホラー映画の醍醐味は、非日常な恐怖体験を味わえること。主人公たちが遭遇する“それ”の恐怖と比べれば、いま現実で目の前にある日常の恐怖なんてたいしたことではない、と、憑きものが落ちたように観客の方々の心が軽くなって、劇場を後にしていただければ幸いです!

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Shuhei Akita / 1982年、宮城県生まれ。2007年に松竹に入社し、11年より映画のプロデュースを担当。中田秀夫監督とは『事故物件 恐い間取り』(20年)でもタッグを組んでいる。
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『“それ”がいる森』
田舎町でひとり、農業に励む淳一。ある日、元妻と東京で暮らしているはずの息子がひとりで訪ねてくる。しばらく一緒に暮らすことになるが、その頃、近くの森では不可解な怪奇現象が立て続けに発生。住民の不審死や失踪事件も相次いでいた。“それ”と呼ばれる得体の知れない何かがもたらす恐怖を描いたホラーエンターテインメント。
●監督/中田秀夫
●出演/相葉雅紀、松本穂香、上原剣心、江口のりこほか
● 2022年、日本映画
● 107分 
●配給/松竹
●9月30日より、全国にて公開
https://movies.shochiku.co.jp/soregairumori/
©2022「“それ”がいる森」製作委員会

9月20日発売のフィガロジャポン11月号では、相葉雅紀のファッションレポート6ページとともに、本インタビューを掲載しています。

*「フィガロジャポン」2022年11月号より抜粋

text: Yuka Kimbara

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