校了中の東京からパリへ! 歌声が訴える強いメッセージ。【編集部の2025年秋冬コレクション日記パリ編】

Fashion 2025.04.07

ファッションウィークをフィガロジャポンエディターが綴る短期連載。 編集長の森田聖美がパリコレクションへ。ダイアリー形式でその様子をリポートします。

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パリファッションウィーク2日目が毎度私の1日目(=3月4日)となります。どうしても初日は本数が少ないのと、この季節はフィガロジャポンの毎年恒例パリ大特集の入稿~校了と重なるため、少しでも東京にいなければ! 今回はモーレツ厳しい入稿校了でした、でも渾身のパリ特集なので、3月19日の発売、楽しみにしていてください。

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3月4日はショー4本と展示会1本。前回行ってお気に入りのひとつになったMarie Adam-Leenaerdt。Paradis Galleryで行われ、現代作家の作品でおもしろいものがたくさん扱われているギャラリーだそう。今回のパリ特集の女性の手仕事のテーマでも紹介したガラス作家の作品もあり、ショーでない時にも訪れてみたいと思いました。肝心のコレクションは、着姿をソリッドでワイドに見せるグレイウールのコートから始まり、全体的にとてもストイック、なのにロマンティック。衣服を着た人がそのままアートオブジェ化するようなメッセージも込められているように感じました。

そして......ファッションウィークに限ったことではないかもしれませんが、パリの交通渋滞がひどすぎて、Mame Kurogouchiのショーに間に合わなかった......のでした。本当に残念。手仕事とローカリティの哲学をもった親密性のあるメゾンだけに、見逃したことが本当に悔やまれます。

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3月4日のベストはDiorでした! ショーの空間演出の素晴らしさ、まるで壮大な地球を巡るオデッセイを見せられているようでした。大地と宇宙のなかで「生かされている」という意識を持とう、という気持ちになりました。舞台の演出家はロバート・ウィルソン。

着やすいデザイン、アクティブな起動性を持ちながら、素材の美しさ、装飾のたおやかさなどはさすがマリア・グラツィア・キウリ、と感じました。ロングドレスもカーキベージュの上に施された黒い刺繍がパワフル。とことん女性らしいのに、力を感じる。そんなクリエイテブを敬愛しています。性も時代も超越したオルランドーが着想源のひとつだそうです。このショーで35周年記念号の表紙を飾ってくださった新木優子さんにもコメントいただきました。

Dior

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【編集長 森田聖美が選ぶディオールのベストルック】#66

カーキベージュの上に施された黒い刺繍が力強いロングドレスには、繊細さのなかにも芯の強さが感じられ、特に惹かれました。とことん女性らしいのに、力を感じる。そんなクリエイティブが大好きなのだと再認識。

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アンダーカバーのショーを見ると、日常の中でファッションを身近に感じて、纏うことを楽しみながら暮らすことの意義を考えます。チャンピオンとのコラボも最高にユーモラスだったし、イエローとパープルの組み合わせなどは個人的に大好物です。パティ・スミスのようなアティチュードにも敬意を込めて作られたコレクションでもあるようですが、マチュアなモデルたちが着る佇まいの素敵さに惹かれます。とても意匠を凝らしたパートもあるのですが、肩の力を抜いていても素敵に着られる、でもエッジも効いている服たちが大好き。

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そしてアライア。パリ市内にあるアライアのオフィスで行われました。ここはまるでギャラリーのごとく。今回のインスピレーションはマーク・マンダースの彫刻。アライアはフォルムの美しさが印象的なデザインですが、こういったモダンアートから哲学を築いているのかなあ、とデザイナーの知性を敬愛。纏う人の動きに合わせて布が変化し、歩くたびに揺れるプリーツのモーションも抑制が効いていて、かえってエロスを感じました。

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展示会に訪れたのはロンシャン。ロンシャンのパリのオフィスは緑にあふれ、とても社員コンシャスな心地いいオフィスなのです。そこにおじゃまし、春夏のアイテムを拝見。ディレクターの友人のイラストを元に、パリやロンドンの街並みをオフィスに作っちゃいました。お気に入りはこのモコモコバレエシューズ。そして、ゲストにふるまわれていたマドレーヌがめちゃくちゃおいしかった!

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パリファッションウィーク中は、どこかのカフェやレストランで座ってランチをゆっくり食べる、なんてことはできません! いつも移動の車内がほとんど。パリ支局長が動き回る途中でパパパと買い、それを貪ります。本日はフツーなサンドイッチ。お水はいつもドライバーのジョゼさんが補給してくれています。

今日を終えて感じたこと、それは「歌声のメッセージが強い」。BGMとしてではなく、音に乗せたVOICEでメッセージする、そんな演出が多かったのです。そしてその声は女性のものでした。


フィガロジャポンインスタグラムでは、フィガロジャポンエディターがロンドン、ミラノ、パリのファッションコレクションの様子を日記でリポート。合わせてチェックして!

photography: Spotlight

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