ワインに代わる提案も! 専門家に聞いた、パリの最新お茶事情。

Gourmet 2025.02.01

ティーソムリエのリディア・ゴーティエのアトリエには、80種ものお茶とティザーヌ(ハーブティー)が並ぶ。1990年代からお茶のコンサルタントとして活動し、お茶とティザーヌのクリエイションも展開する彼女に、パリの最新お茶事情を聞いた。

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クリスタル製ティーセットの制作でサンルイに協力したリディア。

フランスのお茶と聞けば、香り高いフレーバーティーやエレガントなサロン・ド・テを思い浮かべる人が多いはず。だがカフェの国フランスで、お茶は長い間、一般的な飲み物ではなかった。

「1980年代、マリアージュフレールなどのメゾンが上質なお茶を再発見しました。風土と茶の木が風味の違いを生むスペシャルティティーが紹介され、お茶とテロワールの繋がりが意識され始めた。同じ頃にフレーバーを加えたお茶が生まれ、特にアールグレイとミントティーは現在も変わらぬ人気を誇っています」とリディア・ゴーティエ。

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パリ13区にあるアトリエでお茶やティザーヌのクリエイションを行う。お茶の販売とテイスティング、ワークショップも開催している。

伝統のティザーヌも自然志向、ウェルビーイング志向とともにカフェインフリーの健康的な飲み物として見直され、人気が上昇、お茶を飲むシーンにも変化が表れている。

「コーヒーが当たり前だった朝食時に、お茶を飲む人が増えています。午後のティータイムにはカフェインフリーのティザーヌが求められ、さらには朝食にティザーヌという人も最近は多いです」

彼女がいま強く感じているトレンドは、お茶とティザーヌのガストロノミックな側面。ワインと同じように、土壌と品種の違いから生まれるさまざまなお茶の味わいを慈しむティーラバーが生まれ、グルマンたちが注目し始めていることだ。

「近頃は、パティシエたちがスイーツとお茶のペアリングに関心を寄せています。多くのシェフやソムリエも、ワインに代わる飲み物として料理に合わせたお茶とティザーヌの提案に目を向けています」

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上:おいしいお茶を入れるために、茶葉も正確に計量する。ブラック・シャングリ・ラ(下、2列目中央)は5杯用なら10g 下:リディアが提案する、自然の植物だけをブレンドした香り高いお茶とティザーヌ。上左から、「PuErTonka(中国産プーアル茶にトンカ豆)」「Black ShangriLa(ネパール産ブラックティー)「」Jasm in Blanc(ネパール産ホワイトティー、中国産ジャスミン茶にローズペタル)」。下左から、「TRelax(リンデン、バーベナ、カモミール)」「TRevive(日本産緑茶、レモングラス、ジンジャー)」「Tea 4 Kids(ルイボス、バニラ、カカオ)」。日本からオンラインで注文するファンもいる。
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背が低く飲み口が広いタンブラーには香り高いルイボスティー、小さなタンブラーにはジャスミンの白茶を。愛用のサンルイの「アポロ」ティーセットでお茶の色合いと香りを楽しむ。

お茶と料理の組み合わせに関する著書もある彼女は、冷やしたりぬるめたりしたお茶の飲み方も提案する。

「白茶にジャスミンを加えたジャスマン・ブランは、常温で入れて冷やし、足付きグラスでサーブしてサーモン料理やフルーツサラダに。緑茶にレモングラスとショウガを加えたティ・ルヴィーヴは、熱いお湯で入れて冷まし、白身魚、温野菜や山羊のチーズに合わせます」

飲み方の幅が広がる昨今、お茶やティザーヌはアルコールを避けたいグルマンには朗報。ガストロノミーの国フランスで、お茶と料理のマッチングが当たり前になる日も近そうだ。

リディア・ゴーティエ|Lydia Gautier
ティーソムリエ

作物栽培学を修め、1995年よりお茶とティザーヌ のコンサルタントとして活躍、2017年にLydia Ga utier Thés & Tisanes を立ち上げる。フレーバー を一切加えず、自然の植物だけを使ったブレンドに こだわる。 
https://www.lydiagautier.com/

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*「フィガロジャポン」2024年9月号より抜粋

photography: Ayumi Shino text: Masae Takata(Paris Office)

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