見知らぬ家族と旅に出るコミュニティ旅行で、大人も青春を楽しめる世界を。【BWAピッチコンテスト2024受賞者:堀真菜実】
Society & Business 2024.11.29
起業を通じてより良い社会を目指す女性のためのビジネスコンテスト、BWAピッチコンテスト2024が今年7月、東京ミッドタウン八重洲のポットラック ヤエスで開かれた。
「思いを言葉に」をテーマに3回目の開催。今年は全国から120件の応募があり、BWA事務局による選考を通過した7組のファイナリストが、それぞれ5分間のピッチを実施。審査員、観覧者の審査で選ばれた3つのアワード受賞者のそれぞれの思いを紹介する。
【イベントリポート】BWA Pitch Contest 2024 より良い未来のために、思いを言葉に。
Audience Award
SNSによる事前投票および、実際にピッチを会場で体感した人の投票によって選出。
株式会社おりおり
堀 真菜実(Manami Hori)
大人の笑顔が、子どもに希望ある未来を届ける。
堀真菜実が現在ローンチに向けて準備を進めているおりたびは、未就学児を持つ親を含むさまざまな家族が一緒に旅に出かけ、ともにアクティビティを楽しめるプログラムを提供している。「小さな子どもがいると周囲に気を遣って、親は旅を楽しめません。おりたびではお互いが手助けし合い、子どもたちを見守ります」
ツアーは乳幼児連れを基準に設計し、宿泊先は原則貸し切り。複数の旅行代理店と連携しつつ、旅先となる地域ともコミュニケーションを取り、親子がとことん楽しめるコンテンツを企画・運営する。テストマーケティングでは13回のツアーを実施。のべ400人が参加し、リピート率は7割以上。ユーザーがツアーの企画に参加することもあり、過疎地の廃校やケニアへの旅も実現させた。
ワンオペのママ・パパはもちろん、子どものいない人も大歓迎。秋からは本格的に始動予定だ。「大人のとびきりの笑顔を通して、子どもに希望ある未来を届けたい」
一度は会社員に戻る選択肢も考えたという堀。子どもに胸を張れるよう、心が動くチャレンジをしたいと語った。
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Q1. 事業を立ち上げたきっかけは?
娘の闘病によってキャリアを断念しストレスを抱えていた時に、4組の家族と旅をしたことをきっかけに「ママ・パパが生き生きできる場を作りたい」と思ったからです。親の役割から少し解放されてしっかり遊ぶことで、子どもも幸せになるのでは? 子どもの幸せは、親が幸せであることなんです。
Q2. 受賞を受けて、今後の目標は?
審査員の方から「みんなからの応援が圧倒的だった」と声をかけてもらい、光栄です。ずっと応援してくれた方もたくさんいました。これまでひとりで運営をしてきたのですが、アワードをきっかけに、来年はもっと仲間を増やして、より多くの家族におりたびの体験を提供できるようにしていきたいと考えています。
Q3. 働くうえで大切にしている"美学"は?
いまの事業は子育ての経験から生まれたものです。だからいつも「子どもにどんな背中を見せたいか?」と考えています。ヘコんだ時期もありましたが、その悔しさをバネに、子どもに胸を張れる仕事をしたいと思っています。どれだけ稼げるか、ではなく、自分が心からやりたいと思える決断をしたいです。
フィガロジャポンが大切にしている、自分の感性や美学で何気ない日常を楽しむ「アールドゥヴィーヴル」という価値観をもとに、日本の女性の働き方、そしてライフスタイルをもっと多様に、豊かにしたいと、2021年から始まったプロジェクト。下記の3つの活動を軸に展開中。
昨年開催したBWA Award 2023は「新しい選択肢を創り出す女性たち」をテーマに、俳優で起業家の小林涼子をはじめ、5人のロールモデルを選出。photography: Aya Kawachi
■BWA Award
「こうあるべき」にとらわれない自分らしい働き方、ライフスタイルを通して、社会に良いインパクトを与える女性を有識者審査員とフィガロジャポン編集部が表彰。2024年は「新しいスタンダードを創る女性たち」をテーマに、次世代のロールモデルを選出し、2025年1月号(11/20発売)にて発表予定。
■BWA Pitch Contest
日常の課題にアプローチし、美しく豊かな暮らしと社会をもたらすビジネスアイデアを募集する、2022年からスタートしたビジネスコンテスト。事業規模ではなく、各人の起業の物語にフォーカス。受賞者のビジネスの発信をフィガロジャポンがサポート。23年は8組のファイナリストから4組が受賞。
■Seminar & Workshop
毎月1回開かれる定例オンラインセミナーでは、より良い明日を目指して多様な働き方を実践するロールモデルの活動や、豊かに働くためのティップスを紹介。登壇者と視聴者がともに考え、学び合い、応援し合えるコミュニティの構築を目指す。「フィガロマルシェ」と連動したイベントも随時開催。
*「フィガロジャポン」2024年10月号より抜粋
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text: Junko Kubodera