パリは小さい街だから、結構歩いて移動しております。【編集部の2025年秋冬コレクション日記パリ編】

Fashion 2025.04.08

フィガロジャポンエディターのコレクション取材を日記形式でリポート。パリコレ3月5日のハイライトは?

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クレージュ、けっこう好きなのです。クリーンなのに色気があって、肌を見せても凛々しく清々しい。ボディと一体化した布の流れがシンプルの極み!

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演出も美しくて、前回は水を湛えていたスクエアの空間は、フェスティブにラミネート吹雪が舞い上がる設計。風に祝福されたごとく!

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フィガロジャポンのエディターの間でも大人気のブランド、ザ・ロウは、ユニークなショーの風景を作っていました。いつもパリの瀟洒な邸宅で行われますが、今回は「よりリラクシングなムードで」と、ゲストをソファでゆっくりと、または床に座って見てもOK!ということで、招待状にシートナンバーもなかったのです。好きなところで見てね、という粋な演出。実際に日本から訪れた男性のファッションジャーナリストたちは絨毯の上で胡坐をかいてウォッチ。そして、階段を上り降するモデルたちもシューズを履かずにソックスでウォーキングしていたり。

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クワイエットラグジュアリーを牽引するブランドですが決して攻めていないわけじゃない。纏い方を何通りにも用意して着る人の工夫で見せ方を変えられるようになっていたり。縮絨のウール素材は着る人を包み込むように温かな印象。柔らかなカラーパレットで大人の服なのでシンプルに思われやすいけれど、実際には巧みなフォルムの工夫がある。それが愛される理由なのでしょうか。

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ヴァンドーム広場に面した建物の会場で毎回行われるデルヴォーの展示会へ。パリ万博の際に実際に飾られた絵画を背景に、歴史的なピースと新作を織り交ぜて、味わいのあるプレゼンをしてくれるベルギーのラグジュアリーバッグメゾン。黒いバッグのインスタレーションは万博の際のパビリオンから着想。壁画も本物を運んできたらしく......すごくないですか? 行きかう人をイメージして鏡にモデルの姿を貼り付けて展示。クラシックな館で見るエンタメです。

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ヴァンドーム広場から次の目的地ランバンのブティックには歩いていこう、渋滞も時間見えないし、ということで、サントノレ通りを歩いていたらファッションウィークならではの街の風景が。COSが花を配っていました。

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パリオリンピックが「街ごとオリンピック」して、世界中から高い評価を得ましたが、パリはファッションウィーク中にこうしてブランドが街のあちこちでモードにかかわるイベントを行います。街ごと作戦はパリの鉄板なのかもしれませんね。

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ランバンは、先頃行われたオートクチュールの展示会。ニナリッチなどでも活躍していたピーター・コッピングがクリエイティブディレクターになって、クチュリエとしての存在感を増しています。見よ、この美しいドレスを! 布の重なり、折りたたまれても軽やかなフォルム......。ピーターの特にお気に入りの推しドレスはこちらのレッドとネイビーのもの。そして赤いフラットシューズがボウを巧みに使ったようなデザインで可愛い! 日本でも売れそうですよね。

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今回とても楽しみにしていたのはドリス ヴァン ノッテン。チームから輩出されたジュリアン・クロスナーがディレクターとなって発表する最初のショー。パリの永遠の名所として今年150周年を迎えるオペラ・ガルニエ宮の長い廊下が舞台です。

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チーム全体でクリエイションした前回に比べて、とても「軸」ができたというか、船頭が多いよりもやはりちゃんとディレクターが立つほうがスタイルは完成に近づくのだな、としみじみしました。多彩なプリントを起用しながらもシックなトーンでミックスし、ポイントになっているビジューは重厚感があるけれどスタイリングの中でバランスのいいアクセントになっている。アシメトリーに纏う派手色ニットはトップのボリュームからリラクシングなボトムにしなやかに寄り添って、息を飲むキレイな服でした。フィガロジャポンでもたくさんのモードストーリーを手がけてくれているスタイリストの飯田珠緒さんが、「正しい継承」と言い、まさに!と思いました。ドリス・ヴァン・ノッテンのもと、ずっとそのクリエイティブを見ながら育ってきたスタッフのひとりであるジュリアン・クロスナーが、DNAを継承しながら自分の世界を羽ばたかせる。変化の成功例ですねー。

Dries Van Noten

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【編集長 森田聖美が選ぶドリス ヴァン ノッテンのベストルック】#34

ドリスのさまざまなプリントをミックスしたドレス。大ぶりのビジューをトップの縁に装着し、そこから二の腕に繋がるデザイン。首元からベルベットのスカーフが床まで届くほどの長さで、ルックが持つ重力が神々しいバランス。

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さて、今日もランチは移動車の中。編集者をやっていると早食いになるのですが、ボリュームがあって移動時間に食べきれませんでした‥‥パリ支局長が買ってきてくれたのは、cojeanというチェーンのテイクアウトデリ。スパイシーな味付けのチキンと雑穀&グリーンソース。奥に見えるのはニンジンスープ。おいしいのですが飽きます。ただし食物繊維たっぷりで、腹持ちがよい。忙しいパリコレには理想的かな。そして、スマホの車中充電はマスト。コレクション会場でKOLを撮影したりルックの写真を撮ったり動画撮ったりしているとすぐになくなってしまうんですよ、バッテリー。

ステラ マッカートニーではうれしい出会いが! 映画『女王陛下のお気にいり』で数々の主演女優賞を受賞したオリヴィア・コールマンが来場していました。思わず話しかけてセイハロー動画を撮ってしまった......パリコレの会場は映画好きにとってパラダイスでもあります。

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ステラの今回のテーマはオフィス。シートナンバーは付箋の上に書かれ、オフィスチェアに座って観覧。開始前にはスーツを着たダンサーが躍り、ラストにはバーダンスが披露されるという、オフィスらしくは決してない演出でしたが、でも、思いました、「オフィスに不良社員は必要だ」と。

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ウィットに飛んだスペースで、今シーズンはど真ん中でありステラには定番のビッグショルダーのスーチングや、ワイドパンツ、肩パット入りマニッシュなニットや、セクシーなボディスなどが素敵。メイクアップも派手めを狙っているところにも(仕事の)ヤル気十分な感じです。

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ステラからの移動ですっかり夜の帳が落ち始め......日々美しいエッフェル塔をさまざまな角度からお届けします。

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アクネ ストゥディオズはやっぱりカラーバランスが最高! そして雪男みたいなフェルトブーツ。遊び心たっぷりの自由なマインドの元気なブランドは、見ているこちらにも気の利いた変化球を投げかけてくれているようで楽しいです。

これから市内中心のヴァンドーム広場に戻り、ショーメのスペシャルイベントへ! ファッションウィークの夜はなかなか終わらないのでした。


フィガロジャポンインスタグラムでは、フィガロジャポンエディターがロンドン、ミラノ、パリのファッションコレクションの様子を日記でリポート。合わせてチェックして!

photography: Spotlight

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