【ニッポンの性】セルフプレジャーでもっと気持ち良くなるための9つのハウツー。
Lifestyle 2023.12.28
前回、セルフプレジャーは健康にいいという記事を書いたけれど、では実際にどうすればセルフで気持ちよくなれるのか。「日本でいちばん女性をイカせた経験があると思う」と自負する、女性用快感エステやセッククスカウンセリングサービス、月の光経営者でセラピスト・カウンセラーの髙森由香さんに訊いた、セルフプレジャーで快感を得るためのハウツー。
今までに1400人もの女性をオーガニズムに導いて来たという、女性用性感エステ、月の光経営者兼セラピスト・カウンセラーの髙森由香さん。「不感症かも」と悩んで来店した人のほとんどは不感症ではなく、単に自分がどうすれば感じるかを知らないだけだとか。元々大学の看護学部で学びアメリカに留学。身体の仕組みやカウンセリングについて学んだ経験があり、さらに留学先のアメリカで女性向け性感マッサージの技を習得すると同時に独学で性について学ぶ。その知識を活かした施術により、クライアントの95%はオーガニズムに達することができるという。カップルに本当に気持ちのいいセックスを指導するセックスアドバイザーとしても活動する髙森さんに、セルフプレジャーで気持ち良くなるためのコツを伺った。
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1.まずは罪悪感を手放す。
「セルフプレジャーのやり方がわからないという女性は、性的快感に罪悪感を持っていることが多いと感じます。うちのサロンにも、セックス自体に前向きになれないという若い方が良く来られます。知らないうちに、女は淫らになってはいけないとマインドコントロールを受けているんですね」と高森さん。これには日本の性教育も影響しているという。「日本の性教育はまず避妊から入って、性的なものを否定するところから入りますよね。欧米(国や州によって性教育は違いますが)だと、女の子には鏡で自分の女性器をしっかり見るところから始め、マスターベーションの大切さも学校できちんと教えるんですよ」(髙森さん)
セックスに対してネガティブなイメージを持っていては、心から安心して快感を楽しむことはできない。その罪悪感を手放し、マインドセットを変えてみることが鍵に。「セルフプレジャーは、ほとんどの女性が言わないけどやっていることで、恥ずかしいことではありません」と髙森さんもいう。
また、女性のマスターベーションの95%は膣ではなく、クリトリスへの刺激によるもの。けれど自分のクリトリスがどこにあるのかも知らない女性は多いとか。「まずは鏡でクリトリスがどこにあるか確認してみてください」(髙森さん)
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2.するなら心のスイッチがONになったとき
セルフプレジャーは無理にしなければならないものではない。「よく、『一生懸命やっているんだけど感じません』とおっしゃる方がいらっしゃいます。でもそういう気持ちになるときはしなくていいんです。気持ちいいから、ムラムラするからやりたい、というリラックスしたき状態で楽しむ気持ちがないと、感じることもできませんから」(髙森さん) 頭で真面目に考えすぎず、心のスイッチがONになったら始める。――それくらいのライトさがポイントのよう。
3.中イキにこだわらない
髙森さんによれば、オーガズムの95%はクリトリスへの刺激によるもの。膣は本来産道の役目を担うものなので、それ自体はとても鈍感でそんなに敏感に感じるものではない。そんなに敏感ならタンポンを入れて生活出来ませんよね。「中イキにこだわる女性は多いけれど、セックスでも膣だけでイクのってそんなに簡単なものではありません。中イキと呼んでいるものには2種類あって、①膣の入口付近の感覚は脊髄を通って脳に達し感じる、②奥側は迷走神経を通って脳に達して快感を覚える、というもの。だけど膣の中=最高の性感帯ではない。奥に行けば行くほど鈍感で、いちばん感じる部分は膣の中からクリトリスの裏側に刺激が伝わる部分である入口周辺。つまり結局、クリトリスへの刺激で感じているということになります」(髙森さん)
だからセルフプレジャーの基本は、クリトリスに触れることから。「どこが感じるかは人ぞれぞれ違います。クリトリスの左右上下、どこが気持ちいいのかを試してみつけて。このとき、慣れていないと少し痛いかもしれないので、あくまで優しく。突くようにとか、撫でるようにとか、好みのタッチをみつけて」(髙森さん) また、女性の8〜9割はクリトリスが皮を被っているという(男性でいう仮性包茎の状態)。その皮を剥いてから触ってもいいし、痛ければそのまま、下着の上から触れてもO.K.。「気持ち良くなってきたら次は、膣の入り口周辺に指1センチくらいを挿れてみても」(髙森さん)
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4.濡れないならローションやオイルを活用。
そうやって触っているうちに気分が高まって濡れて来たら、愛液に触れて指を湿らせてからクリトリスを触ると、さらに感度はUP。もし濡れない場合や痛いときには、専用のローションやオイルを使うと、痛みが軽減し快感を得やすくなるとか。「私のサロンの施術では、100%天然のココナッツオイルを使用しています。無印良品のホホバオイルとかでもO.K。天然オイルですと、イッたあとそのまま拭かずに眠っても安心なので、おすすめです」(髙森さん)
5.片手ずつ別々の場所に触れて、"セルフW攻め"。
「利き手でクリトリスに触れながら、もう片方の手でクリトリスと膣の間にある性感帯や、バストを愛撫。こうすると、他人の手に身体を弄られているようで、より快感が高まります。片手で膣の入り口を指で触れたり膣に指を挿れたり、焦らしながら触ってみたり。タッチに強弱やバリエーションをつけて、楽しんで」(髙森さん)
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6.オカズは"イマジネーション"。
男性は視覚や聴覚で興奮するけれど、女性はイマジネーションによって興奮する。だからAVを観ながらセルフプレジャーする女性は、意外と少ないのだとか。「女性はAVを観て気分を高めた後に、好きな妄想をしながらするのが好きな傾向がある気がします。うちのサロンで施術するときも、『施術の間、妄想しててもいいですか』と聞かれるお客様が多々いらっしゃいます」(髙森さん)前述のタッチも、好きな人や見知らぬ相手の指を想像しながら触るとベター。
7.体位に変化をつける。
今までベッドの上ですることが多かったのなら、足元にクッションを置いて脚を上げてみたり、ソファの上で座りながら致してみたり。「セックスと一緒で、セルフプレジャーも変化をつけることで、新鮮さを味わえる。するときの体勢を変えることで、触れる場所が微妙に変わって来るというメリットも」(髙森さん)
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8.イキそうになったら、あえて深呼吸で力を抜く。
「イキそうになったら、深呼吸して一度力を抜いてみて。それを何度が繰り返して力まないで自然にオーガズムへ達した方が力任せにイクよりも、より気持ちのいいオーガズムを得られます。力んだときと、力を抜いてリラックスしたときのオーガズムは全然違うもの。あえて我慢して、その穏やかな快感を味わってみて欲しいですね」(髙森さん)
9.グッズを試すならソフトな刺激のものから。
「中イキしたことがない人がバイブレーターやディルドなどの挿入系アダルトグッズを使っても、イクことはほぼありません。今はクリトリスを刺激したり吸引したりするタイプのものがたくさん出ているので、その中から色々試して好みのグッズを探すのがおすすめ。肝心なのは、いちばんソフトなものから試すこと。あまりハードな刺激のプレジャーグッズに慣れてしまうと、セックスのときに物足りずイケなくなってしまうコトも」(髙森さん)
プロに聞いたおすすめのセルフプレジャーテクで、一段階上の快楽を味わってみよう。
恋愛コラムニスト さかいもゆる
出版社勤務からフリーランスのファッションエディターとして独立。その後、アラフォーでバツイチになった経験から、恋愛や結婚における本当の幸せとは何かを考えるインタビュー読み物やコラムを多数の女性誌で執筆している。
text: Moyuru Sakai