【ニッポンの性】セックスセラピストが伝授! セックスレスにならないための予防法とは。

Lifestyle 2024.03.22

セックスレスはもはや現代の病なのだと感じている。人には相談しづらく、一度なると解消するのが難しいレス。どうすればレスを防ぐことができるのか。また、なってしまったらどう対処すればいいのか。ライターのさかいもゆるが、性のカップルカウンセリングを行なっているセックスセラピストであり、女性用性感エステをはじめ女性の性をサポートする、「月の光」主宰の髙森由香さんに聞く、"レスの乗り越え方"。

なぜレスになってしまうの?

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近頃は若い世代でもセックスレスだという話をよく耳にする。アラフォーを過ぎた周りの夫婦も、ほとんどがレス。みんなうっすらと「こんなものだ」と自分に言い聞かせ、レスの状態に甘んじて生きているように見える。けれど人間の3大欲求である性欲を、そんなに簡単にあきらめてしまっていいのか。いや、よくないような気がする。

「月の光」のカウンセリングには、妻側レスで悩む男性も、夫側レスで悩む女性も来る。中には夫婦でカップルカウンセリングを受けに来るケースもあるというが、女性と男性、どちらが性行為を拒んでいるかによって原因の傾向は異なるらしい。夫婦の場合、男性側レスの原因で多いのが、いわゆる「妻だけED」。妻のことは愛しているのに、脳が妻を家族だと認識してしまったために性的対象として見られない、というやつだ。分かりやすく言うと、自分の家族、例えば母親や姉や妹を性的対象としてはみない、それと同じこと。もちろん女性にも「夫/彼のことはもう家族としてしか見られない」という人もいる。では、レスにならないために、女性側で対処できることとはなんだろうか?

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「笑い合えるセックス」が理想。

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「妻側レス」の場合、髙森さんは「何が嫌なのかをパートナーに正直に伝えてください」とアドバイスしているそう。そもそも、妻がセックスをしたくなくなる理由の大半は2種類の理由に分かれている。

1.夫のセックスが気持ちよくない、もしくは痛い・不快。
2.夫のことは愛しているが、脳が夫を家族だと認識してしまったために性的対象として見られない、性的欲望を感じられない。

1については、男女ともにAVの弊害もあると、髙森さん。「本来、膣の役割は産道なんです。そこにただ挿入すれば感じるというのは、AVによって植え付けられた幻想でしかない。AVでは指や男性器を膣に挿入したら女優が喘ぎ声を出して感じ始めるから、ほとんどの男女が膣内はすごく感じる場所だと思っている。そんなに敏感に感じるなら、タンポン(生理用品)なんて使えませんよね。実際に女性の95%は、オーガズムを得るのは膣ではなくてクリトリスとその周辺なんです。だから男性はパートナーの女性のどこが感じるのかを優しくマッサージや愛撫をしながら探り当てて行くのが、気持ちいいセックスのためには欠かせない作業。(髙森さん)

女性も挿入で感じるフリをしないといけないと思い込んで、挿入された途端に演技をしてしまう。男性にはそれが演技かどうかわからないから、セックスのメインが膣に男性器を挿入してのピストン運動の行為で終了してしまう。これではいつまで経っても性生活の質が向上しないのは当然だろう。だから「自分が望む気持ちのいいセックスに導く」、工夫が必要。

とは言え、日本ではセックスで女性は恥じらわないといけないような空気感があり、なかなか積極的にはなりづらい部分もある。ベッドでして欲しいことがあったとしても、その要求を伝えづらい。どうすれば相手を傷つけることなく、痛いとかどこが気持ちいいとか、パートナーに上手に伝えることができるのだろうか。

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「私はいつも、『笑い合える楽しいセックスを目指してください』とお伝えしています」と髙森さん。ムーディなセックスはいらないのだそう。「笑いがあれば、たとえば男性が胸が好きなら『ぱふぱふさせて〜』とか(笑)、要望を伝えやすくなるし、女性も『こうして欲しい......』と要望を言いやすくなるし、過度に感じるフリをしなくてもいい空気になるでしょう。そこで笑えない人同士って、たぶんセックスの話をパートナーになかなか言えない、淡々としたセックスをしているんだと思うんです」(髙森さん) 

「それと、痛いことはちゃんと相手に伝えることはが大切です。私達女性も男性が射精をする時どう感じるかは一生わからないのと同じで、男性もどれくらいの力加減が痛いのか、気持ち良いのかは伝えないとわからない。伝える時は、不快な顔をしてストレートに『痛い』と伝えるのは繊細な男性に対してはNG。伝える時は、『凄く敏感に感じ過ぎてちょっと痛いからもう少し優しく触って、優しく動いて(ピストン運動)』など、さりげなく褒めるような言葉も添えて伝えてみて下さい」(髙森さん)

たしかにそんな風に風通しのいいセックスができる相手であれば、ベッドで正直で素直な反応ができそうだ。

後編では引き続き、その対応策をご紹介しよう。

【ニッポンの性 vol.1】彼女が「女性用風俗」を利用した理由。

【ニッポンの性 vol.2】女風サービスで「女性セラピスト」の指名が増えている!?

【ニッポンの性 vol.3】若者世代にセックスレスが増加している本当の理由。

【ニッポンの性 vol.4】結婚生活に夜の営みは必須?セックスと夫婦の在り方を考える。

【ニッポンの性 vol.5】老化防止に更年期ケア......セルフプレジャーは快感だけじゃない!

【ニッポンの性 vol.6】セルフプレジャーでもっと気持ち良くなるための9つのハウツー。

【ニッポンの性 vol.7】膣周りだって老化する。ずっと快適に生きるために、女性器のアンチエイジングケア方法を学ぼう。

【ニッポンの性 vol.9】2組に1組がセックスレスの現代。セックスセラピストが伝授する、乗り越え方って?

【ニッポンの性 vol.10】5年以上セックスしていない「セカンドバージン」、どうやって脱出するの?

恋愛コラムニスト さかいもゆる

出版社勤務からフリーランスのファッションエディターとして独立。その後、アラフォーでバツイチになった経験から、恋愛や結婚における本当の幸せとは何かを考えるインタビュー読み物やコラムを多数の女性誌で執筆している。

text: Moyuru Sakai

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