ギャルソンデイに心引き締まり、シャルロットの繊細な愛らしさにうっとり。【編集部の2025年秋冬コレクション日記パリ編】
Fashion 2025.04.11
ファッションウィークをフィガロジャポンエディターが綴る短期連載。パリコレ5日目、3月8日はギャルソンデイ!
今日は、コム デ ギャルソンの3ブランドが一気にショーを行う日。ブランドへの愛を表現して、ギャルソンの服を身に纏い、多くのモード業界、ジャーナリストが集う。ファッションウィーク中はどのショーの前後も、おしゃれスナップのためや、著名人を一目でも見ようと多くの人々が会場前に集まってきますが、ギャルソンのショーの時には、集まる人々にもちゃんと「癖」があるように思います。
ちなみに、パリコレ中にフィガロジャポンのインスタグラムストーリーズに投稿してくれている個性派ファッションジャーナリスト、栗山愛似(@itoikuriyama)さんは、ギャルソンの出身です。
ジュンヤ ワタナベの黒、レザー、デニムは、毎回とてもクールでとんがっているのだけれど、間近で見た時に、パンツのシルエットの美しさにハッとする。足が長くスレンダー見えるし、シャープ。
ジバンシィの展示会を挟み、ノワール ケイ ニノミヤのショーへ同じ場所に戻る。ノワール(黒)の世界に放たれた光や輝き。それが色の洪水になって......という流れがロマンティック。リボンやボール状のデコレーション、立体的なビーズなど、過激な装飾はショーの魅力を2割増し。ゴールドのシューズや発砲スチロールで作られた、ニッポンの漫画風なヘアも目が釘付け。
今日は滞在ホテルとギャルソンのショーの場所が極近だったため、移動がとてもラクだった。かつ、ホテルの横にこの半年以内におにぎり屋がオープンし、そこで初めて買って食してみた。写真を撮るのを忘れましたが......なるべくシンプルな「和」な気分の具を選びたかったが難しい......ワールドワイドでエスニックで、肉たっぷりな、日本規格外のおにぎりでした! 私を編集者として育ててくれたファッションジャーリスト塚本香さん(@kaorinokarami)と、元フィガロエディターでパリ在住の鈴木桃子さんと、しょんぼりしながらホテルのラウンジでおにぎりランチを食べました。
アンドレアス・クロンターラー フォー ヴィヴィアン・ウエストウッドは英国風エッセンスを素材でよりしっかり生かし、シルエットやコーディネートのおもしろさで魅せる。そしてメンズモデルもハイヒールを履いてウォーキング。
ラストでデザイナーもヒール付気ブーツを履いて大興奮で登場し、「いっつもこの人明るいなあ」と眺めてしまうのであった。
毎回楽しみなエルメスのショーでは、ランウェイの床が土の仕立て。ワンカラーのルックをメインに、真っ赤なブーツを白いルックに投入したり、その演出に女らしい刺激を感じました。
展示会で間近に見れば、畝状に仕立てたルックは細いレザーを丁寧に縫い付けていたり、やはりサヴォワールフェールがあふれるメゾン。新作バッグの中でも小ぶりのサイズは爆売れしそうです。
Hermès
編集長 森田聖美がエルメスで見たベストルック #46
ベストルックは、エルメスのピスタッシュグリーン。これがブラウンやブラックならクワイエットラグジュアリーの極みだけれど、エルメスのレザーの色出しの美学が宿り、そして色彩に非常にこだわるメゾンの哲学もある1着でした。
ここで、とある駐車場で行われている6月号カバーストーリーの撮影に15分だけ訪問。シャルロット・ゲンズブールの撮影でした。シャルロットは何度もインタビューで会ったことはあるけれど、モード撮影で会うのは初。囁くような細い声で、柔らかく繊細な佇まいで、スタッフとも静かに撮影を進めていく。映画好き、ファッション好きにとっては幸せな瞬間でした。次号も楽しみにしていてくださいね!
ギャルソンのブランドのラストのショーはもちろんコム デ ギャルソン。メンズスーチングの素材、プリーツ、チェック、双頭、連続的な身頃のアタッチなど、意味深な表現にはいつも「服・纏うこと」への考えを問われるような気持ちになります。
市内の植物園で行われたマックイーンが本日のラスト。地下鉄でのんびり移動して、見知らぬ通りを歩くと旅気分も。植物園の一角にある建物の長い回廊で行われたショーでは貴族的ムードあふれるルックが多数。ボリュームデコレーションで♡を描いたユニークなドレスなどもあるが、ナポレオン風のジャケットなどハンサムなルックも多数。フェミニニティとマニッシュが交互に展開されるような「着たい美しい服」の連続でした。
フィガロジャポンインスタグラムでは、フィガロジャポンエディターがロンドン、ミラノ、パリのファッションコレクションの様子を日記でリポート。合わせてチェックして!
photography: Spotlight