いま、台北でしたい12のこと。【10】 気鋭のシェフが手がける、モダンな台湾料理をいただきます。
Travel 2019.11.29
さまざまな文化の影響を受けてきた台湾料理は、名シェフたちの手でさらに進化中。食材にこだわりモダンに変わりゆく伝統料理を味わって、いまの台湾を体感しよう。
約100年前のレシピを再現した雅な料理。
山海樓 手工台菜餐廳
看板メニューの海と山の味覚6種の盛り合わせ「山海豪華拼盤」大サイズ1,980元
4月に台北ミシュラン2019で1ツ星を獲得し、話題沸騰中。日本統治時代初期の1930年代に親しまれていた台湾料理は、仕込みに時間がかかりすぎるため後継者不足で一時はやめていたことも。そんな手の込んだ台湾料理のレシピを、モダンにアレンジして提供。伝統的な料理を再現するため、台湾原生品種の黒豚を育種したり、郊外の自社農場で有機野菜を栽培するなど、食材を探すのに2年以上費やしたというこだわりぶりだ。
自家農場で有機栽培された蒲瓜とニンジンで黒豚やキノコを包んだ季節限定メニュー「蒲瓜封」880元
自家農場で放し飼いされている台湾原生種の古早雞は、2日前までに要予約。しっとりとした上質な鶏肉を3通りの食べ方で提供する「掛爐燒雞」2,480元
メインシェフを務める蔡瑞郎がテーブルで「掛爐燒雞」をさばく。
昨年、移転してリニューアルオープンしたばかり。2階建ての店内には個室もある。
Mountain and Sea House
台北市中正區仁愛路二段94號
tel:02-2351-3345
Ⓜ忠孝新生
営)11時30分~13時L.O.、17時30分~20時L.O.
無休
カード:A、M、J、V
要予約 ※別途サービス料10%あり
www.facebook.com/vintagetaiwancuisine
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アジアンエスニックを盛り込んだ、モダン創作メニュー。
ロングテール
左から時計回りに、四川の紅油抄手風ワンタンにフォアグラソースを入れた「鴨肝和油封鴨肉餃、魚露、花生、白柚」680元、グラスワイン180元〜、シンガポールのカヤトースト風デザート「法式咖椰吐司、醬油焦糖、咖啡冰淇淋」320元、寿司を再構築したシグネチャー「海膽、海苔脆飯、柚子、紫蘇」880元
香港のマンダリンオリエンタル、パリのアピシウスなど、星付きレストランで腕を振るってきた林明健シェフ。台湾の豊富な食材に魅せられてオープンした店は、昨年、今年と2年連続で台北ミシュランの1ツ星を獲得。山菜やハーブなど地元産の食材をふんだんに使って、台湾やシンガポールをはじめとした多国籍料理をユニークな感性でアレンジした創作料理を供する。深夜まで営業しており、カクテルやワインも豊富に揃っているのがうれしい。
香港出身の林明健シェフ。
リラックスしたコロニアル風の内装。
Longtail
台北市大安區敦化南路二段174號
tel:02-2732-6616
Ⓜ六張犁
営)18時~24時L.O.
休)火
カード:A、M、J、V
要予約
※別途サービス料10%あり
www.facebook.com/longtail.taipei
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3人の多国籍シェフが魅せる、台湾土着食材のハーモニー。
ゲン・クリエイティブ
サツマイモソースにスイカの漬物とスベリヒユを散らしたポークチョップ「雲林究好豬戰斧豬排」1,100元
ラスベガスのレストランで出会った、台湾、韓国、グアテマラ出身の3人のシェフ。それぞれがバックグラウンドを生かして自由に作り上げる料理の共通点は、台湾の食材を使うことのみ。まるごと仕入れた肉は自分たちで下ごしらえして廃棄部位が出ないようにするなど、生産者と関係を築いて直送される食材を無駄なく工夫している。カジュアルに食事を楽しんでほしいという思いからメニューはすべてアラカルトで構成。
左は味噌汁をフライにした斬新なメニュー「味增炸湯」330元、右はグアテマラで人気のアイスキャンディをアレンジした「芒果冰棒」380元
左から、台湾出身のエリック、グアテマラ出身のメラニー、韓国出身のハンサンの3人で立ち上げた。
木目調のシックな内装が心地よい。
Gēn Creative
台北市大安區敦化南路二段63巷24號
tel:02-2707-3348
Ⓜ信義安和
営)17時30分~21時L.O.(月~木) 17時30分~21時30分L.O.(金、土)
休)日
カード:A、M、J、V
要予約
※別途サービス料10%あり
www.facebook.com/gencreativetaipei
●日本から電話をかける場合、台湾の番号886の後、市外局番の0を取ってダイヤル。台湾内では掲載表記どおりにダイヤルしてください。
●データ欄のⓂはメトロを表します。
●クレジットカードは略記。A=AMEX、D=DINERS、J=JCB、M=MASTER、V=VISA
●掲載店の営業時間、定休日、商品や料理の価格などは、取材時から変更になる可能性もあります。特に台湾の祝日、年末年始、2月の旧正月には、営業時間、定休日が変更になる可能性があります。ご了承ください。
※『フィガロジャポン』2019年8月号より抜粋
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photos : JIMMY YANG, réalisation : YAEKO KONDO