予定大幅変更から企画のアイデアが! セレンディピティがあった6日目。【編集部の2025年秋冬コレクション日記パリ編】

Fashion 2025.04.12

ファッションウィークをフィガロジャポンエディターが綴る短期連載。予定大幅変更から企画のアイデアが! セレンディピティがあった6日目。

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今日は朝から気合です! 実はスポーツ観戦大好きなワタクシ。ラコステのショーは、前々回と同じくテニスの全仏オープンが行われるローラン・ギャロスで行われたのです。赤土のクレイの世界トップの場。テニス好きなら知っているように、クレイと芝ではボールのバウンドがまったく違っていたり、プロ選手でもコートの違いが戦績に大いに影響を及ぼします。クレーコートのキングと呼ばれたラファエル・ナダルの試合、観たかったな~引退前に。などと、考えながらJOSEさんの車でローラン・ギャロスに向かいました。

ショーが始まる前からうれしかったのは、米国アカデミー賞主演男優賞を『ブルータリスト』で受賞したエイドリアン・ブロディやセリーナ・ウィリアムスが来場していたこと。

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そしてショー自体も、この全仏にたくさんのオマージュを捧げている内容でした。使われているチャームがトロフィだったり、ラケットケースバッグやネットバッグ、登場してから大人気継続のスコート風レザーバッグなど。そしてセンターコートを囲む観客席ではなく、on the コート・フィリップ・シャトリエで、クレーコートに似せた赤土上に設けられた客席でショーが観られました、これは意義深い! 大人っぽいトープカラーをワントーンコーデでまとめたり、正当派膝丈スカートに足元がスポーティなヒールを合わせたり、毎回、ラコステはエレガントな面をランウェイで見せてくれます。もっとたくさんランウェイピースが日本で購入できるといいのにな、と思います。

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パリに移り住んだ元同僚の鈴木桃子さんが大好きだ!と主張する若手デザイナー、ニコロ・パスカレッティのショーへ移動。今季は本当にファー仕様が多いです。ショーだとフェイクかリアルか、デザイナーが宣言していないとわかりませんが、大胆に使うほど小粋なアクセントになっている。全体的にウエアラブルでレイヤードの仕方も、若い世代が好きなリラクシングな雰囲気が漂うブランド。ウールのアウターはヘビロテになりそう。デザイナー本人も穏やかなムードが流れてます。席に愛らしいレースが置かれていてこういうところからもデザイナーのキャラクターが感じられますね。

今日はですね、気合を入れたからではなく、なんとなく時間がなくてランチを食べ損ねました! 東京から車内で食べられるお菓子をたんまり持っていったので、それで繋ぐ......

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バーバリーに関しては、ロンドンで行われたショーに関しては、副編集長の田代佐智子がレポート済み。私はパリで行われている展示会へ。なのでチャームやアクセサリーを主にお見せします。エンブレムが付いたキルティングのオペラシューズ、これ、本当に欲しいです。また、ウイットに富んだアクサセリー類も、買いですね~。

夕方に行われたヴァレンティノは、ミケーレが就任して以来、セレブリティの来場でフェスティブ感がパリコレ中トップクラス。なので、早めに訪れました。道枝さんのコメント動画はすでにお届けしましたが、ジャレッド・レトが毎回来場していてうれしいかぎり。ショーそのものは演出に痺れました、まるで映画のごとく。それもギャスパー・ノエなどカルトムービーの旗手が手掛けるような感覚の演出でした。真っ赤な空間にはたくさんの扉。観客席が中央に置かれ、会場全体を囲む壁が扉だらけなのです。各扉からモデルが登場し、一周して同じ扉に戻っていきます。よく間違えなかったね、とモデルたちを誉めてあげたい!

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ルックに関しては、前回よりも装飾に抑えがきいていたと思います。近くで見れば素材やディテールが繊細かつ華やかなのだと思いますが、それよりもトータルルックのフォルムにデザイナーのこだわりを感じました。フリルやリボンなどロマンティックに存在。

Valentino

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【編集長 森田聖美が選ぶヴァレンティノのベストルック】#47

ヴァレンティノの黒いドレス。リボンを使い、シンプルかつ大胆でシネマティックです。そしてさりげなく愛らしい。

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展示会ではセアンに行きました。日本をこよなく愛してくれている韓国人女性デザイナーの作る服は、クワイエットラグジュアリーで静謐でウエアラブルです。特にパンツがおすすめですね。

こちらの展示ショールームでスタッフと話している際に、新しく特集の企画を思いつきました。今日はいろいろなスケジュールが変更になり、行こうとしていた展示会に行けなかったりもして焦ってましたが、セレンディピティはあるものだ、と、突然の予定変更にも寛容になろう!と思ったり。

本日のラストはバレンシアガ。こちらもセレブリティ来場で大人気のショーなのですが、私はずっとドボイズのジュヨンさんの優しくてお茶目なキャラが大好きで......バレンシアガで姿が見られて眼福です。

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今季のパリは、オールフロントロウという考え方のショーが多く、バレンシアガもそうでした。間近にモデルが見られるのはこちらとしては大変ありがたく、布の動きも含めて素材感や装飾、着方、などが体感できます。今回はオーソドックス、定番などをキーワードにデザインされた服たち。スーチングやトレンチコートなども多数登場。コートの前をしっかり閉じて、コーディネートを見せるよりも1着の服に集中させるような見せ方という印象を受けました。ネイビーのニットのミニドレスが個人的には好みです。

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まだ2日残っているけれど今日のディナーがパリ支局長髙田と鈴木桃子さんとの打ち上げ。場所は3月19日発売の最新号「パリに恋して。」で紹介したイスラエル料理店テケです。野菜が豊富とあったけれど、肉魚のメニューがないとは!! でもとってもおいしくておしゃれでした、再訪したい。来ている客層もみな洗練されていて、パリのおしゃれディナーとなりました。2区の路地裏にひっそりとある日曜日もオープンの店。おすすめです。


フィガロジャポンインスタグラムでは、フィガロジャポンエディターがロンドン、ミラノ、パリのファッションコレクションの様子を日記でリポート。合わせてチェックして!

photography: Spotlight

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