去り行くデザイナー、継続する時間。考えさせられた1日でした。【編集部の2025年秋冬コレクション日記パリ編】

Fashion 2025.04.13

ファッションウィークをフィガロジャポンエディターが綴る短期連載。去り行くデザイナー、継続する時間。考えさせられた7日目でした。

250410-paris-collection-day7-1.jpg

3月10日時点では発表されていませんでしたが、これを書いている3月下旬現在、ジョナサン・アンダーソンがロエベを去り、新デザイナーとしてプロエンザ スクーラーのデュオがロエベを引き継ぐことが公表されました。毎回、市内中心を離れて城でショーを行っていたジョナサンのロエベが今回は展示会形式。動揺しながら10日、ジャーナリストたちは展示を見に訪れていたのだと思います、私もそうでした。ただ、展示は素晴らしかった!

250410-paris-collection-day7-4.jpg

ジョナサンが愛し続けてきたアートと、過去のデザイン&ものづくりから着想した新作を並べて鑑賞するというプレゼンテーション。そこに見えてくるのは、創造への愛と執着です。朝9時で眠気が残っていましたが、それが吹っ飛ぶほどおもしろい展示でした。レザーをどう扱うか、肥大化するデザイン、布や装飾の連ねなり......デザインのディテールとインスピレーション源とアイコン的なオブジェを配した展示を撮ったスマホ内の写真は、何度も眺めて愉しめそうです。

東京でも3月28日からロエベ クラフテッド・ワールド展が開幕。ここでは、スペインの老舗であるロエベの歴史やスタイルからジョナサンのクリエイティブまで、世界観が存分に味わえます。

250410-paris-collection-day7-5.jpg

サカイの今季のテーマは「穏やかさ」。でもモデルのウォーキングも服もハンサムでしたねー。身体に巻き付くようにニット、ファー、ウールが躍る中、ジャケットやコートに忍ばせたスカーフが人の動きに合わせて軽やかに舞う様は、新鮮な提案だと感じました。すでに東京で展示会が行われ、ほとんどのスカーフはジャケットの内側に縫い付けられていることがわかりました。秋冬シーズンなのに布の動きの軽やかさを表現するブランドは多く、サカイも同様でしたが、プリントのスカーフで表されると単なるシフォンでの表現よりもリアリティを感じられてよかったです。

サカイからマリーン セルまでの移動に、何人のジャーナリストが走ったことか......パリ市内の大渋滞の影響です。私も途中で車を降り、ポンデザールを走り抜けました。

250410-paris-collection-day7-6.jpg

愛らしくフェミニンな印象のマリーン セルですが、今季は少しハードでロックな要素もプラス。でもヘアアクセサリーなどもキュートで、セーラーカラーやランジェリーライクなレース仕様のドレスなどはむしろウエアラブルなのではないでしょうか。

250410-paris-collection-day7-8.jpg

髙田支局長と桃子さんはカフェでランチなのに......私だけ車でバゲットサンド(ジャンボン・フロマージュ)です......うん、そんな日もあるさ!

250410-paris-collection-day7-7.jpg

ガブリエラ ハーストはパレ・ド・トーキョーにてショーを行い、始まる前にはシャンパンをゲストにふるまってくれた。センシュアリティと大地の強さやマニッシュなムードが絶妙なバランスを保って表現されるブランド。ブルーの三つ揃えのルックは、日本の女優が纏っても似合いそう。レザーはエキゾティックタイプまで、強い! 迫力のあるコレクションでした。

サマリテーヌの目の前にあるルイ・ヴィトンのビルに集合し、「これからどこへ?」というワクワク感とともに、連れていかれたショー会場。目的地は北駅。「旅」がメゾンの重要なキーワードであるルイ・ヴィトンは、人々が旅立つ時に行きかう駅を発表の場に選びました。セレブのオンパレードで、今回もスキズのフィリックスがランウェイを歩くサプライズ付き。個人的には、映画『ソウルメイト 七月と安生』や『少年の君』『国境ナイトクルージング』で素晴らしい演技を見せたチョウ・ドンユイと間近で会えてすこぶるうれしい気持ち。

250410-paris-collection-day7-3.jpg

さまざまな人が行きかう場所として駅を選んだだけあり、ルックもバリエが豊富。でも、キュートさが目立つライトタッチなルックが多く、ある種コーディネートのおもしろさもある、過去のニコラ・ジェスキエールのクリエイティブよりもリアルなムードがあるコレクションだった。ハットのクラシシズムが素敵だし、チェック柄の使い方や多色使いのルックもかわいらしい。ルックを覆うように透け感のあるビニル素材が用いられてカバーリング。これがとってもユニークなのでした。

Louis Vuitton

250410-paris-collection-day7-2.jpg

【編集長 森田聖美がルイ・ヴィトンで見たベストルック】#7

本日のベストルックは、ルイ・ヴィトンのこちら。ヘアの無造作感から足元のショートブーツまで、上質ラブリーの極みです。スポーツからインスパイアされているものの、アノラック以上トレンチ未満なコートもナイス。マフラーのチェックも意外な色選び。


フィガロジャポンインスタグラムでは、フィガロジャポンエディターがロンドン、ミラノ、パリのファッションコレクションの様子を日記でリポート。合わせてチェックして!

photography: Spotlight

Share:
  • Twitter
  • Facebook
  • Pinterest

Business with Attitude
コスチュームジュエリー
35th特設サイト
パリシティガイド
フィガロワインクラブ
BRAND SPECIAL
Ranking
Find More Stories

Magazine

FIGARO Japon

About Us

  • Twitter
  • instagram
  • facebook
  • LINE
  • Youtube
  • Pinterest
  • madameFIGARO
  • Newsweek
  • Pen
  • CONTENT STUDIO
  • 書籍
  • 大人の名古屋
  • CE MEDIA HOUSE

掲載商品の価格は、標準税率10%もしくは軽減税率8%の消費税を含んだ総額です。

COPYRIGHT SOCIETE DU FIGARO COPYRIGHT CE Media House Inc., Ltd. NO REPRODUCTION OR REPUBLICATION WITHOUT WRITTEN PERMISSION.