仏4人に1人、コロナ禍で「パートナーと別れたい」。

Culture 2021.08.16

フランス世論研究所(Ifop)はコロナウイルスによるロックダウンや夜間外出禁止令がフランスのカップルに与えた影響について調査を行い、このほど結果を発表した。表向きには夫婦やカップルの生活は安定しているように見えても、パンデミックは彼らの関係を揺るがした。若い世代が特に影響を受けているようだ。

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フランス世論研究所の調査によると、度重なるロックダウンの間、4人に1人がパートナーとの別離を考えた。Photo : Getty Images

パンデミックはフランスのカップルを破滅に追い込んだのか? ロックダウンや夜間外出禁止令は、別れたいと思わせるほどふたりの関係を揺るがしたのだろうか? 最初のロックダウンから1年たったいま、結婚式準備サイトYesWeBloom.comがこのような疑問についてフランス世論研究所に調査を依頼し(1)、結果が7月29日に発表された。

それによると、表面上は関係が安定しているように見えるものの、コロナ禍はカップルにつらい試練を課したようだ。4人に1人(27%)が度重なるロックダウンと夜間外出禁止令のいずれか/いずれの場合もパートナーと別れたいと思ったと認めている。正確には女性の25%が、男性の28%が別離を考えたようだ。

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30歳以下が最も影響を受けている

この傾向は特に若い世代に顕著に見られる。3003人を対象に行われたこの調査によると、30歳以下の50%が関係に終止符を打ちたくなったのに対し、60歳以上は14%にとどまった。

また、経済的に不安定な世帯の方が別れを考える傾向が強かった。月収が900ユーロ(約11万7000円)の場合、男性の46%、女性の35%がそう答えたのに対し、月収2500ユーロ(約32万4000円)以上の場合、そう答えた人は男性は21%、女性は23%にとどまった。この傾向は大都市において、すなわち一般論として住宅が狭い地域で顕著であった。

最も影響を受けているのはホモセクシュアル・バイセクシャルのカップルだ。調査によると、ホモセクシャルあるいはバイセクシャルの男性の40%と女性の50%が、パンデミックの当初から別れを考えたという。それはヘテロセクシャル(異性愛者)の男性(27%)と女性(24%)のほぼ倍にあたる。

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性の不一致

調査の結果によると、カップルの関係を不安定にさせた三大要素は、コミュニケーションの欠如、性の不一致(要するに性生活における欲求や期待の違い)、そして仕事のストレスだ。

女性と男性は同様にこれらの要因を挙げたが、コミュニケーションの欠如を指摘したのは男性よりも女性の方が多かった。カップルの関係にとってそれが障害であると女性の70%が証言したのに比べ、男性は54%だった。

離婚ブーム?

大多数にとって別離はまだ決定事項ではないが、一定のカップル(12%)はパンデミックが収束次第、パートナーと距離を置くことを予定しており、4%は完全に別れると決めている。

フランス世論研究所の“ジェンダー、セクシャリティと性の健康”課のフランソワ・クラウス局長はこの状況をこう説明する。「危機的な状況下ではよく起こることですが、これは様子見的な姿勢の表れです。孤独になることへの恐れ[...]と同時に現実的な理由(住まい、子どもの学校…)や経済的な理由が背景にあります。通常、カップルの破局[...]は双方の生活水準の低下につながるからです」

クラウスは、離婚ブームとまでは行かなくとも「パンデミックとそれが引き起こす経済的ダメージによって、カップルの破局はいまより頻繁になりうる」と締めくくった。

(1)このフランス世論研究所が行った自記式調査はYesWeBloom.comに依頼されたもので、2021年5月7~10日にオンラインで行われた。フランス在中の18~69歳の人口を代表する3003人をサンプルの対象にした。

text : Kassandre Fradelin (madame.lefigaro.fr)

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